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discover america

van dyke parks  
ディスカヴァー・アメリカ<紙ジャケットCD>
カリプソたっぷりで聴きやすい
奥深い楽しさと芸術性溢れる一枚!

<カリプソへの取り組み>
 前作には見られなかった聴きやすさ、突然のカリプソへの傾倒ですが、一体何がヴァンダイクをカリプソへ向かわせたのでしょうか?

 実は幼いときからカリプソに親しんできたヴァンダイクですが、ここに来て本格的にアルバム作りに取り組んだのには2つの目的があったようです。一つは大好きなカリプソを世に紹介すること、もう一つは、著作権の問題でカリプソの作曲者たちに印税が支払われていなかった状況を改善することです。それに加 えて、曲の歌詞とカリプソが本来持つ風刺性、ジャケットや最後の「星条旗よ永遠なれ」 のカバーからすると、ヴェトナム戦争中だったアメリカへのメッセージも含まれているのかもしれません。

<ヴァン・ダイク流カリプソ>
 そんなやや固い背景の中で制作された本作ですが、内容はカリプソの明るさが全面に出ています。しかし、そこはしっかりと捻りが加えられていて、単なる夏向きの音楽にはとどまっていません。ヴァンダイクのストリングスアレンジが加わって、本来の熱い熱気みなぎる音の中に、どこか知的で優雅な印象も混ざっています。熱いカリプソにクールに取り組んだ、という感じでしょうか。このアルバムを他のどこにも無い、新たな音楽にしています。
 
<ディスカヴァー・アメリカ>
 タイトルがこうなっているように、アルバムのテーマはカリプソだけではありません、アメリカ側からはアラン・トゥーサンやリトル・フィートのカバーも含 まれています。特にリトル・フィートのローウェル・ジョージは一曲、ギターとアレンジでの参加もしています。こうしたアメリカ南部ロックの曲もヴァン・ダ イク流のアレンジが施されていて一枚のアルバムの中で違和感なくまとまっています。このアルバムを聞くとやはりヴァン・ダイク・パークスもライ・クーダー やタジ・マハール等と同じようにルーツ・ミュージックを探求する一人なんだな、実感してしまいます。

 どの曲も短い演奏時間に緻密なアレンジが詰め込まれていますが、それが、カリプソのルーズで軽いノリと相まって一気に聞ける爽快感と奥深い芸術性を見事に両立しています。

音楽の内容もメッセージ性も、1972年当時の世相を反映したものだったはずですが、出来上がったこのアルバムは、時代を超える味わい深いものになりました。音楽の背景を考えながら聞くもよし、純粋に楽しむのもよし。いつまでも聴き続けられる一枚です。
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clang of the
yankee reaper
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